蹴上のインクライン
インクラインとは英語で斜面、勾配等の意味を持ち、蹴上にあるインクラインは、
舟運ルートの途中、水路落差のある2箇所に敷設した傾斜鉄道の跡を言います。
かつて明治時代の京都では、琵琶湖の水を京都へとつなく琵琶湖疎水事業、そして琵琶湖と京都、大阪をつなぐ舟運を実現し、水上輸送を行う事業が計画されました。そしてこの壮大な事業に関連して、日本で初めてとなる水力発電所も京都に建設されました。
蹴上にあるインクラインは、急な勾配の坂で船を引っ張り上げるための線路の跡です。約580mにも及ぶインクラインは、1890年代に完成、1940年頃まで使われていました。完成当時は、線路を使って山の上へと船を運ぶ様子に、多くの見物客が訪れたと言います。
明治時代に入り、都が東京へと移った後の京都は、過去の活気を失いつつありました。そのような状況で計画され、新しい時代を生きる京都の姿を象徴したのがこの事業です。琵琶湖疎水、蹴上のインクラインには、当時の科学技術を結集した歴史が刻まれています。
南禅寺が近い蹴上のインクライン。現在はその歴史の跡だけを見る事ができます。そして京都の産業遺産とも言えるこの場所は、春になれば桜の名所としても知られます。南禅寺を目指す人々は途中にあるインクラインをゆっくりと歩き、優しい目で桜を愛でています。

【名称】蹴上のインクライン
【所在地】京都府京都市左京区南禅寺福地町
【最寄駅】市営地下鉄東西線「蹴上」から徒歩すぐ。
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